「社員が安心して働けるオフィス環境を整えたい」「来訪者にやさしい職場づくりをしたい」
そんな想いを持つ福岡の企業担当者さまへ——。
近年、オフィスの移転やリニューアルを機に「バリアフリー化」や「ユニバーサルデザイン導入」に取り組む企業が増えています。
それは単なる設備の配慮にとどまらず、多様な人が快適に働ける“環境づくり”こそが、企業価値を高める時代になってきたからです。
この記事では、ユニバーサルデザインの視点からオフィスのバリアフリー改装を考える際のポイントや、福岡で取り組む際の実践的なアドバイスをやさしく解説していきます。
ユニバーサルデザインとは？バリアフリーとの違いをやさしく解説
「バリアフリー」と「ユニバーサルデザイン」は似たように使われることも多いですが、厳密には異なる概念です。
- バリアフリー：高齢者や障害のある方のために、障壁（バリア）を取り除く考え方
- ユニバーサルデザイン：年齢・性別・障害の有無にかかわらず、すべての人が使いやすい設計をする考え方
つまり、バリアフリーは“特定の人への配慮”に焦点を当てる一方で、ユニバーサルデザインは“誰にとっても快適”な環境をめざします。
企業のオフィス環境でも、ユニバーサルデザインの考え方を取り入れることが、働きやすさと来訪者へのおもてなし、そして企業イメージの向上につながるのです。
なぜ今「ユニバーサルデザイン」が企業オフィスに必要なのか？
福岡をはじめとした都市圏では、さまざまな人材が活躍しています。
- 障がい者雇用を積極的に進める企業
- 高齢のスタッフや短時間勤務の方が在籍する組織
- 外国人や多様なバックグラウンドを持つスタッフが働くチーム
こうした多様性を包み込むためには、「物理的」な配慮に加えて「心理的安全性」や「使いやすさ」の視点も欠かせません。
ユニバーサルデザインの導入は、単なる設備投資ではなく、ダイバーシティ推進・働き方改革・ブランド価値向上など、企業の中長期的な成長に直結する投資といえるのです。
オフィス改装に活かせるユニバーサルデザインの7原則
ユニバーサルデザインには、世界的に認められた「7つの原則」があります。
オフィスづくりに活かす視点で見てみましょう。
1. 公平な利用
すべての人が同じように使える環境を目指します。
たとえば、自動ドアやフラットな床面設計など。
2. 使用の柔軟性
利用者のさまざまな能力や習慣に対応できるように。
例：椅子の高さを調整できる会議室、利き手に左右されない備品配置など。
3. 簡単で直感的な使用
使い方が直感的にわかるデザイン。
例：ピクトグラム（視覚的案内）や色分けでの誘導など。
4. わかりやすい情報提供
視覚・聴覚・言語など、あらゆるユーザーに配慮した情報発信。
例：音声案内と視覚サインの併用。
5. ミスへの寛容さ
誤操作しても大きな問題が起きない仕組み。
例：ドアの自動ロック解除機能、滑り止め付きの床材など。
6. 身体への負担の軽減
動作や力の負担を軽減する設計。
例：軽く開けられるドア、リモート操作の設備など。
7. 接近しやすいサイズと空間
誰もが無理なく使える空間設計。
例：車椅子でも通れる通路幅、低い位置にあるスイッチなど。
これらの原則をすべて取り入れる必要はありませんが、改装や移転のタイミングに合わせて、できる部分から導入することが重要です。
福岡のオフィスで求められるバリアフリー＆ユニバーサルデザイン例
福岡市では、高齢化・外国人観光客の増加・障害者雇用支援の広がりなどから、多様な人を受け入れる空間づくりが加速しています。
● 例1：受付エリアの見直し
- カウンターの高さを2段階にする
- 筆談ツールや翻訳アプリを設置
- 車椅子対応のスペース確保
● 例2：トイレ・休憩スペースの改善
- 男女共用のユニバーサルトイレ設置
- 香りや音への過敏症に配慮した静音空間の提供
● 例3：会議室・デスクのバリアフリー化
- 可動式の椅子や高さ調整可能なデスク
- 聴覚障害者向けのモニター表示や文字起こし機器
こうした具体的な改装例は、従業員の満足度アップや企業訪問者への印象向上にも直結します。
実際に進めるときの流れと注意点
オフィスのユニバーサルデザイン改装は、以下のようなステップで進めるとスムーズです。
- 現状課題の洗い出し
例：通路が狭い、段差がある、情報が伝わりづらい等 - 社内ヒアリングの実施
実際に利用する社員や管理部門からの意見を吸い上げます。 - 専門業者への相談
ユニバーサルデザイン対応を得意とする設計会社や施工業者に相談を。 - 費用対効果を見極めた導入
すべてを一度に実現するのではなく、優先順位をつけて段階的に対応。 - 従業員や来訪者への告知と教育
改装内容を周知することで、使いやすさを最大化します。
特に福岡市内では、補助金制度やバリアフリー認証などの行政支援もありますので、地方自治体の制度も併せて確認すると良いでしょう。
ユニバーサルデザインは「やさしさ」と「企業価値」の両立
ユニバーサルデザインは「誰にでもやさしい設計」であると同時に、企業の理念やブランド姿勢を“形にする”アプローチでもあります。
今後の人材確保や地域貢献、SDGs対応などを見据えたオフィスづくりにおいて、**ユニバーサルデザインはもはや「あると良い」ではなく「必要な考え方」**です。
福岡でオフィスの移転や改装を検討している企業担当者の方は、
この機会に“バリアフリー視点”から一歩進んだ“ユニバーサルな空間づくり”を検討してみてはいかがでしょうか？
